よく「血管が浮いている」といいますが、足(=下肢)の静脈が太く浮き出ているものを「下肢静脈瘤」といいます。静脈瘤の多くは太くなっているばかりではなく、曲がりくねっています。また同じ静脈瘤でも太さはいろいろです。写真のように4つの種類に分類されます。
たくさん静脈瘤ができていても全く症状のない人もいます。
しかし、静脈瘤ができると足がむくむ、だるい、重い、痛む、ほてるなどの症状がよくでます。
足がつる、いわゆる「こむら返り」もおこりやすくなります。
血管には動脈と「静脈」があります。
心臓から出た血液は動脈を通って体の隅々にいきわたり、その後は静脈を経由して心臓に戻ります。
多くの静脈瘤は、表在静脈(とくに大伏在静脈や小伏在静脈)の弁が壊れるために発生します。
弁が正常に働かないと、血液は逆流することになり、足の下の方に血液が溜まります。
その結果、静脈は拡張し、静脈瘤ができてくるのです。
膝のあたりから伏在静脈にカテーテルを挿入し、カテーテルの先端からレーザーや高周波を照射し、血管の中から伏在静脈を焼灼、閉塞させる治療法です。侵襲の少ない新しい静脈瘤治療です。
大伏在静脈あるいは小伏在静脈を引き抜き、さらに小さい皮膚切開により静脈瘤を切除するものです。
直接静脈瘤に薬(硬化剤)を注射するものです。硬化剤により静脈が損傷され、静脈はぺしゃんこになってしまいます。
つまり、硬化剤は静脈を癒着させぺしゃんこにする接着剤のようなものです。
血液の逆流の強い人には伏在静脈の結紮術を行います。皮膚に小さい切開を加え、静脈をしばるもので血液の逆流を止めてしまいます。
血液が足に貯溜しないように、静脈瘤を強く圧迫するものです。